第5章では、ミュージシャンの音楽活動における目標とプロセス設定の大切さについてお話しします。
前章でお話した「使命」は目的ですね。目的は”なんのために”ということです。目標とは、目的を果たすために設ける中間ゴールと捉えるとわかりやすいでしょうか。
ミュージシャンであれば、プロになることを「目標」としている方は多いですよね。
プロセスは「過程」のことです。決めた目標に対して、どのような経路で進みそれを達成するのかという道筋のことです。
音楽活動においては、明確な目標とプロセス、この両輪があってはじめて、あなたが理想とする未来に向かって前進することができます。ひとことで「戦略」と言い換えることもできます。
目標もプロセスも感覚値で設定していると、結果もぼんやりしたものになります。「なりたい自分になるための道を遠回りしないため」、また「日々取り組みに迷わないため」に、あなたらしい目標とプロセス=戦略を設定していきましょう!
音楽活動における目標とプロセスとは
まず、目標とはズバリ、なりたい自分ですね。これを設定且つイメージされている方は多いと思います。
・プロミュージシャンになりたい
・武道館でライブがしたい
・〇〇と共演したい
・フルアルバムを作りたい
と言った具体的にイメージできる未来の自分です。
「具体的にイメージできる」というところが非常に大切です。イメージできないものにはなり様がありませんし、ゴールが無いまま走り出すようなものです。
目標をカラーでイメージし、その目標を達成した時の気持ちを今から想像することがモチベーションの維持にも一役買います。
次に、プロセスについて考えてみましょう。
上記目標の「フルアルバムを作りたい」を例に、プロセス(過程)を設計する場合、まず大切になるのが「いつまでに作るか」ですね。期限なき目標はただの希望になってしまい、叶えるための努力に気持ちが入りません。やはり期限は大切です。
いつまでにアルバムを作るかが決まってしまえば、そこから逆算して「今日何をやるべきか」を決めるだけ。もっと言ってしまえば「今、何をすべきか」ですね。1時間単位で目標に向かってやるべきことを設定できれば、もうフルアルバム作成の目標は達成したも同然です。
ただ、この目標に向けて取る行動のコントロールが非常に難しい。特にモチベーションの維持が課題になるケースが多いです。「あー今日はなんだか気持ちが上がらないなぁ」なんてこと、誰にでもありますよね。
ここで大切になってくるのがプロセスの習慣化です。
プロセスの習慣化とは
どんな確実な成功法があったとしても、それを実行し続けることができなければ成功は見えません。実行し続ける、つまり習慣とすることが成功のカギとも言えます。
”無意識に行動できるまで落とし込む”、これが習慣化です。
成功への道は険しいもの。やりたくないこと、面倒くさいこと、つらいことの方が多いかもしれません。ですので、いちいち頭で考えていては「それを避けること」に脳を使ってしまいます。これ、本当に無駄です。
正しい(と決めた)ことを、やりつづける。成功するまで。
これが失敗しないコツですね。当たり前とも言えるこの成功法則ですが、自分が決めたプロセスを取り組むときに「最初は意味も規模も無視する」ことが大切です。
やろうとしていることの意味を考え出して行動が止まってしまう人が居ます。出したい成果を大きく捉えすぎて進捗が感じられない人も居ます。
このような、意味や規模を最初から考えてしまうことは、習慣化の邪魔なのです。
目標に1ミリでも近づくことが出来ていれば、それは進んでいるということです。進んでいる以上、間違いではないですよね。成功の規模は、積み上がったあとにあなたが判断すればいいんです。
何を習慣化するかによりますが、簡単なことであれば「すでに習慣化できていることにくっつけると良い」と言われています。
たとえば、歯磨き。
食後の歯磨きが習慣化されている方がほとんどだと思います。この習慣化された「歯磨き」という行動に新しく習慣化したい行動をくっつける。これで習慣化の中に新しい習慣を組み込みやすくなります。
たとえば、「自分がプロミュージシャンになった時のイメトレ」なんかは、歯磨きをしながらでもできそうですね^^思い出してください。イメージできないものには、なることができないんです。
目標もプロセスもないとどうなるか
音楽活動の目標、プロセスは絶対になければならないものではありません。目標が無くてもライブをしたり音楽を楽しむことはできますからね。
むしろ目標など無い方が気楽に音楽できることもあります。
しかし、この手引を読んでくれているあなたには、「音楽活動を広げたい」「ミュージシャンとしてなりたい自分がある」といった思いがあるわけですよね。そういった場合、目標もプロセス設定も必須です。これを持たずに活動することは、お客さんにとって悲劇でしかありません。
常に相手のことを考える
目標もプロセスも自分の為に設定するものですが、本質的には誰の為になるのでしょうか?
あなたのファン、あなたを応援してくれるすべての人のためですよね。そう考えると、「何に向かって活動しているかわからないミュージシャン」や「目標を表明していないミュージシャン」は応援しにくいことがわかります。
明確な目標があって、前向きに活動していることが伝わってくる。
そんなあなたの姿勢を見て、ファンは「この人の力になりたい!」と思ってくれるんですよね^^これは、「楽曲の良さ」だけで勝負することより大切なことです。
まとめ
- 音楽活動に対する目標とプロセスを設定する
- 決めたプロセスを習慣的に実行する
- 最初は意味も規模も考えない
習慣化できれば、どんなに大きな目標も確実に近づきます。目標達成に周りの人を巻き込むのも大切ですよ!もちろん「応援」という形で巻き込みます。
応援される理由は、あなたから積極的に作っていく。そこにあなたらしさを発揮していきましょう!