こんにちは、たまいやすゆきです。
この電子書籍では、僕の十数年に及ぶ音楽活動において積み上げた「愛され、応援されるアーティストになるためのTips」をお伝えします。
今日取り組んで明日結果が出るものではありませんが、1つずつ地道に実践していくことで着実に変化が訪れます。特別な人だけができるノウハウではなく、誰でも取り組める内容をまとめました。
第1章は、あなたの音楽にどんな需要があるのか見極めるためには”自己分析”が必要だよ、というお話です。
自分を客観視することの重要性と難しさ、どちらも痛感しているあなただからこそ、自分と向き合う時間から逃げないでほしいと願います。
それでは、愛されるミュージシャンの第1歩です。
「がんばっていればファン増える」は危うい
自己分析の重要性に触れる前に、アーティストなど ”夢を追いかける人” が失敗しやすい考え方についてお話します。
自分の強みをあまり深掘りせず「がんばることこそが、自分の音楽を広げていく道だ」とばかりにがむしゃらに活動する人がいます。
このような考えに至ってしまう背景には、「どうすれば自分の思っている道に進めるのかわからない」という事実があります。僕もこの「がむしゃら期」を10年以上経験しました。
しかし、戦う場所を間違ったままで、そのがんばりはあなたが届けたいと思っている層に伝わるのでしょうか?
完全に「No」とは言いませんが、大変厳しい戦いになると思います。僕が実体験者です。
闇雲に一生懸命がんばっていれば花開くほど、エンターテインメントはあまい分野ではありません。かといってお金やノウハウをかき集めれば人の気持ちを動かすことができるか?と言うと、そういうことでもありません。
一生懸命を
- どこで
- だれに向けて
- どんな風に
取り組むかが重要であり、じっくり腰を据えて戦略を練ってこそあなたが輝ける場所がみつかります。
そうです。自己分析で見えてくるのは、「あなたが輝ける場所」です。
アーティストの自己分析とは
アーティストの自己分析とは、
・自分にどんな強みがあるか
・自分の苦手なものはなにか
・自分の音楽を気に入ってくれるのはどんな層か
・自分がやりたくないことはなにか
といった、あなたの個性を「できるだけ客観的に」知ることです。
自分の事、わかっているつもりでもわからないものですよね。特に音楽という好きな事だと尚更 ”音楽に関わることなら全部得意!” と思ってしまいがち。
自己分析とは、そんな妄信的な自分自身への理解を一度整理するプロセスです。
あなたの音楽(個性)を必要としている人はどこに居て、そのような人が集まる場所はどこにあるのか。これらを知るために自己分析は非常に大切且つ有効になってきます。
自己分析方法
方法と言ってもツールも手法も必要ありません。
まずは、あなたが得意な事を知ってください。その際はできるだけ人に聞いてください。客観的に理解する必要があるため、「他人があなたの音楽や人となりをどう感じているか」という視点が大切になります。
※もしすぐに聞ける人が居なければ、過去を思い出し「誰かに褒められたこと」を洗い出してください。
なかなか
「俺のことどう思ってる?」
「私の音楽ってどんな魅力があるかな??」
などとは聞きにくいですよね。
ですが、自分が考えている自分の強み・魅力と、他の方があなたに感じている魅力のギャップは、音楽活動においてノイズとなる可能性が高いのです。
自分の強み・魅力はこうだ!と自分で言語化しつつ、周りが感じている魅力(あなたらしさ)と乖離がないか、確認する作業が自己分析のファーストステップです。
音楽が好きだから音楽が得意、というぼんやりした感覚ではなく、【音楽の何が得意なのか】をきちんと言語化しておくことが大切です。
たとえば、音楽を「作る」のが得意であれば、どんなジャンル、誰向けの楽曲、、、といったように、細かく棚卸します。自分の持っている個性を細分化し視覚化するんですね。
また、音楽以外のあなたの個性を客観視することも重要です。あなたの音楽は、あなたの音楽性とそれ以外の個性(性格、能力、興味・関心、価値観など)でできているからです。
特に「自分がどんな価値観を持っているか」を理解しておくプロセスははずせません。音楽による自己表現とは、価値観の表現であると言えるからです。価値観に共感した方がファンになってくれる、と考えて差し支えないでしょう。
このように、自分を客観視しておくと、得意なことと得意な事のコラボレーションを生みやすいですし、その得意な事を”いったい誰に届けていくのか”といった目標も定まりやすくなります。
次に、
苦手なこと、やりたくないことも洗い出します。
ここが特に重要で、やりたくないことをどう扱うかが音楽活動において重要だからです。そのやりたくないことの理由を探るためにも、一度自分の気持ちに向き合う必要があります。
たとえば、
「ライブはやりたいけどライブイベントに申し込むのは嫌だ」
といった気持ちがあるとします。
自分の音楽活動において、今「嫌だ」と思っていることがどれほどのインパクトがあるのかは、きちんと整理しておかないと、その時の気分でチャンスを逃すことになりかねません。
誰に見せるわけでもありませんので、しっかり自分と向き合って「苦手なこと、嫌なこと」を書き出しましょう。
この点でも誰かに聞けるなら聞いた方がより正確なデータが集まります。「わたしの苦手な事ってなんだろう?」と聞いてみて、他人から見た「あの時嫌そうだったよ」という情報はあなたの個性そのものです。大切にしたいですね。
自己分析でみえてくるもの
自己分析の結果、あなたというアーティストの個性が少しずつ見えてきます。分析結果は変化しますので、時折実施したいですね。
分析結果から、あなたらしさ(=個性)が言語化され、その個性から導き出せることは、「あなたの音楽を届ける先」です。
具体的に説明すると、
1.あなたの音楽を必要としている層
2.あなたの音楽活動の方向性
2.あなたの音楽活動でやらないこと
これがわかるだけで、あなたの音楽活動は随分すっきりします。誰に向かって、何を伝えていくのか。やらなくてよいことは何か。
活動の基本方針が詰まっていますね^^
上記1.2.はほぼ同じ内容ですが、「あなたの魅力で喜ばせられる相手」が具体的にわかってきます。
自己分析で客観視された ”あなたの強み・魅力” で喜んでくれる層を相手に音楽活動をしていくのです。これを意識しないと、あなたが届けたい音楽と、お客さんが聞きたい音楽のミスマッチが発生して、いつまで経ってもあなたの音楽活動は広がっていきません。
需要があるところに寄せていくことも1つの戦略ですが、それが苦痛だった場合に音楽そのものを嫌いになってしまいます。
たとえば、ロックが好きなのにポップスが売れそうだ、とポップスに寄せていく。「本当にやりたいのはロックだ!」と思いながら、、、
といった活動ですね。これは疲弊するどころか、聞いてくれる相手にも失礼です。嫌いなものでお金を頂こうとしているのですからね。
まずはあなたの強み・魅力を喜んでくれる層は誰なの?どこにいるの?どうやって会うの?など深堀りしていくと、あなたの活動場所も見えてきます。
この章のまとめ
あなたの音楽を待っている人に確実に届ける為に、あなた自身をよく知ってください。あなたの得意なことや苦手なことから、「あなたの音楽を届けるべき層」が見えてきます。
僕自身、この「自己分析」をせずに10年超もの間がむしゃらに音楽活動をして時間を無為に過ごしてしまいました。
自己分析の結果は人それぞれです。他人と比べる必要はありません。出てきた結果(=あなたの個性)を愛する覚悟を持ってください。
今持っているあなたらしさをどう活かしていくか、ここに注力してください。