第11章 自分で全部やらない

あなたは、自身の音楽活動のあらゆることを自分でやっていないでしょうか?

  • ライブのブッキング
  • 告知
  • 情報発信
  • 営業
  • レコーディング

やろうと思えば一人でできてしまうこれらのことに、「苦手」であったり「やりたくないこと」は含まれていませんか?

僕は、活動のあらゆることを自分でやろうとしていました。

今は便利なツール・サービスがあり、少し頑張ればライブのフライヤー制作、プロモーション(営業)など、自分たちで工夫してできます。そして、その方が確実に安上がりです。

出費を抑える為にできるだけ自分でやってきましたが、得意でもない自分がやることはいかんせんクオリティが低い。やはり餅は餅屋。得意としている仲間を頼る・募ることが音楽活動で苦しまないポイントのひとつになります。

自分でやった結果、クオリティが低いものが渡る先はお客さん。お客さんを喜ばせるためにしたことが逆効果になったり自分が苦しむ結果になるのは、望ましい音楽活動とは言えません。

目次

音楽活動全体のクオリティを上げる

音楽活動には品質(クオリティ)があります。

・ライブパフォーマンス
・発信内容(ホームページ、SNS)
・デザイン、アート、ファッション
・楽曲クオリティ

など。

お金をかければよい、と言うものではありませんが、自分が出すもの全体のなかで一つでもクオリティが低いものがあると、全体がその低いクオリティに引っ張られます。

「歌はよかったけど、だらしない人だった(身だしなみが)」

といった例があるとして、見た人はどちらの方が印象に残るでしょうか?また、口コミで広がった場合に「歌はいいんだけど、清潔感がなくて残念ね」から、「不潔なひと」とネガティブなイメージが先行してしまいかねません。

上記は極端な例だとしても、音楽活動で出していく自分の個性は、あらゆる面で品質が高い方が受け入れられやすいです。すべてがトップレベルである必要はありませんが、平均的な水準を上げておくことであなたのアーティストとしてのブランドが保たれます。

活動の品質を上げるには、得意なこと以外は自分でやらないことがポイントです。

「プロに頼めばお金がかかる」として得意でもない自分がやり、そこで出費が抑えられたとしても、失っているものが大きいということです。

餅は餅屋

音楽活動における様々な行動のうち、自分がやらないことを決めましょう。

自分がやらないことは、それを得意としている人に頼る。これは相手の活躍の場をつくることになりますから、感謝され、あなたを応援してくれる理由になり得ます。

たとえば、クリエイティブな面(フライヤー、ジャケットデザイン、Webサイト制作)や、プロデュース、プロモーションといったことですね。

「いやいや、俺の周りにそんなことできる人いないから」

と言われる方多いんですが、それは本気で探していなかったり、探し方が間違っている可能性大。ライブ中のMCで必ず言うようにすれば、それだけでも候補が現れる可能性は高いです。

「ライブのフライヤー作ってくれる人さがしてます」
「僕らのマネージャーやってくれる人探してます」
「僕らのライブ動画を編集してくれる人探してます」

などなど。

大切なことは、仲間として迎えること。あなたは音楽で利益があっても、その仲間にもメリットが無ければ関係性が続きません。

一緒に成長していける仲間を持つ、これが音楽活動をスムーズにする秘訣です。あなたに関わる誰もがハッピーでなければ、対等な関係は築けませんからね。

僕自身は、クリエイティブに関する部分や音源のミックス&マスターは人に頼る機会が増えてきました。営業に関しても、率先して出会いを提供してくれる方には、チームの仲間として接するようにしています。

お金の使いどころ

音楽活動は「お金」無くしてはできません。

できるだけ音楽で利益を上げ、その利益を自分のために使いたいと考えますよね。そう考えるのは正しいし、ストレスの無い活動への1歩です。

しかし、お金にはのあなたの音楽活動を拡大させる「使いどころ」があります。

「ライブで儲けたお金で新しいギターを買った」

でもいいのですが、音楽の利益を自分の得意でないことに使えるとどうなるでしょうか。

たとえば、

・フリーランスで活動している地元のクリエーターにアルバムジャケットを依頼する
・ライブをさせてくれるようなお店探しを手伝ってくれる方への謝礼につかう
・ライブの売り上げはマネージャーをやってくれる方と平等に分ける

などですね。

お金の使い道に正解はありませんが、「より大きな成果を生むお金の使い道」を望むなら、投資するという考え方が必要です。

目先の出費をケチったがために、作品や活動にケチがつく。それは本当に自分のため、そしてあなたを応援してくれるファンの方のためになりますか?

苦手なことを誰かに頼ることで、これからクリエイティブな活動をしていきたい!という方を応援することもできます。

一通りのことは自分で経験してみて、その中で「苦手だな、やりたくないな」と思うことは、それを得意としている人に頼みましょう。

人に頼むときに1つだけ注意点があります。事項で紹介します。

仲間と理念の共有

「デザインとか苦手なら、ネットでフリーのデザイナー探せばいいのでは?」と言われそうですね。

たしかに、それでも作品のクオリティは上がりますし、安く発注することもできるでしょう。

しかし、お互いによく知らない人とは理念や想いの共有が難しい場合もあります。「自分の苦手なことをやってくれるなら誰でもよい」というものではなく、たとえ時間がかかっても信頼できるパートナーを見つけることが、あなたとあなたのパートナーの相乗効果を生むカギです。

・どういうコンセプトがあって
・どんな想いで
・どんな結果を出したいか

これらを深いレベルで共有できてこそ、作品や活動のクオリティは爆上がりします。

理念や想いは見えない部分ですが、あなたの作品も活動も、元をたどれば理念を反映させたもののはず。同じ方向を向いて活動を応援しあえる仲間との共創が、お客さんを巻き込んで唯一無二の世界を作ります。ひとりでは決して作り出せないエネルギーですね。

まとめ

  • 全部自分でやることで失うものはなにか?
  • あなたの苦手は誰かの得意
  • 協力者を仲間として迎える


僕自身、音楽活動費用にはずっと苦労してきました。節約のため、音楽活動のあらゆることが手作りでした。そのことを指摘されたことは有りませんし、気にしている人は居ないのかもしれません。

しかし、何もかも自分でやることで残るのは節約されたお金ですが、いろんな仲間を巻き込んで出来上がったものは、クオリティも拡散力も段違いです。

あなたの音楽活動にも仲間を迎えてください。音楽のステージが2つも3つも上がります。

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